LPWAを活用する為のIoTビジネスセミナーに行ってきました!
2018/01/20
IT/IoTこんにちは!さきです。普段はIoT女子や、妄想はアイである。のなど声優、歌手として活動してます。
1月17日に開催された、「LPWAを活用する為のIoTビジネスセミナー」に行ってきました!
そして、司会も担当させていただきました!ありがとうございます!
主催はセンスウェイ株式会社さん!会場となった場所は、31VENTURES Clipニホンバシさんです!
会場は満員のなか、IoTビジネスセミナーのスタートです!少しセミナーでの内容をレポートしてみました!
「センスウェイのLoRAWANを活用したサービス展開」
センスウェイ株式会社 専務取締役 神保雄三さん
IoTに必要な通信規格、LPWA(低消費電力、遠距離通信)。その一種である、LoRaWANの概要やセンスウェイのサービスについてなど紹介されました。
基地局の展開
センスウェイさんは基地局を日本で初の全国展開するそうです。海外では、LoRaWANの基地局がフランス、韓国などで既に全国展開されています。
基地局が全国展開することで、今スマホが外出先など殆どの場所で使えてるように、IoT向け通信をどこでも気軽にLoRAWANチップ(スマホで言うところのSIMみたいなもの)をデバイスに組み込むだけで使用出来るようになる!ということです。海外だと、街の街灯の管理や駐車場などに既に利用されてるそうです!
2018年には首都圏でサービスを展開するそうで、基地局を建てる場所は大手不動産会社さんと協業しビルの屋上や、コンビニ、ガソリンスタンドなどを予定されています!
センスウェイさんはいわゆる通信キャリアで、基地局設置のほか、LoRaWAN通信を利用するためのLoRaWANチップ(ケータイでいうSIMみたいなもの)の販売などを行います。料金は1デバイス30円からです。
なぜIoTにLPWAのLoRaWAN通信なのか
センサの為の、より低コストな通信だからです。またセンサの情報を送信するのに、そこまで大容量である必要ありません。そしてLPWAの中でもLoRaWANは、上り下り双方向最大242バイトの通信が可能なので、ツイッター位の文章の送受信もできてしまいます。なのでIoTに適していると言われています。
見通しが良い場所では125キロつながったとの発表も!!また、室内やビルでも反射してすみずみまで行き渡る性質があるので、満遍なく電波が届きます。
ノイズにつよく、工場等でも電波干渉を防げます。
2020年のオリンピックに向けて、IoTにおいて日本No1を誇れるような、礎を築いていきたいとのことでした!
LoRaWANの技術概要
東京大学 工学系研究科 IoTメディアラボラトリー スペシャリスト 渡辺 誠さん
LoRaWANを技術的観点から見た詳しい説明
LoRaWANは、LoRaデバイスからゲートウェイ(基地局)を通して、クラウドにあるネットワークサーバーにきて、利用者はこのサーバーとやりとりをしてデータを受けるという形式だそうです。
LoRaWANというのは、LoRaAllianceで策定されていて、デバイス⇒ゲートウェイ⇒ネットワークサーバーまでのことをLoRaWANと言うと国際的に決められています。
LoRaというのは変調方式のことで、セムテックという会社が作りました!
電波のこと
無線局免許を必要としない、周波数帯(アンライセンスドバンド)です。特定小電力無線なので日本国内では13db、約20mWの出力制限があります。この中でどこまで電波が飛ぶのかというところで、信号エネルギーを拡散させる、周波数拡散方式という方式をとっているので従来より遠くまで飛ぶそうです。日本では920MHz帯を使用。920.6~928 までの37チャンネルが使用可能です。
プロトコル
LoRaWANの物理層は国によって使っている電波が違うそうです。MAC層でクラスA,B,Cがあり、基本はクラスAを使用します。Aは双方向通信、デバイスから通信を開始するアップリンク、デバイスが発信したあと一定時間受信できるのでダウンリンクを受け付けます。受信信号の方でAck信号も受けるそうです。他にも、もっと詳しいお話がありました!!
セキュリティ
OTAという動的なセキュリティ割り当てがされているのでセキュリティが高いと言われています!
レイヤーごとの暗号化がされていて、MACレイヤー、アプリケーションレイヤーで、それぞれ暗号化されているそうです。ゲートウェイでハッキングされても二重で暗号化されているのでより安全です。
他にも、通信方式についても詳しいお話がありましたが、このように詳しく色々教えていただきました。
LoRaWANセンサネットワーク構築の取り組み
株式会社グリーンハウス 商品戦略本部 堀尾一生さん
堀尾さんのお話では、実際既に日本で展開しているLoRaWANによるサービスやデバイスに関してご案内されました。
実例
愛媛大学さんの実験のお話や、プライベートネットワークで工場内に親機を1台建てて、それに測温抵抗体という測定範囲が非常に広い温度計を利用し、温度データを収集、センサーデータを直接クラウドに送るという構成での利用等が紹介されました!
デバイスについて
RM-92Aというモジュールはグリーンハウスさんの中でも、良く定番で使用されているモジュールだそうです。面白い商品としてはRM-92Cというモジュールがあり、中にアンプが入っていて、250mWまで電波をおくことができます。なので長距離通信ができるそう!電波法的に、大丈夫なのかということですが、陸上移動局という扱いになるため、このモジュールを使用するためには総務省への届け出と年間500円程度の電波使用料支払いが別途必要になってくるそうです。デバイスとして、多く流通させることは難しいですが、少数で基地局的に使う場合、通信距離も特段長く一長一短面白いデバイスです!とのことでした。
こちらは電源を入れただけで、センスウェイさんのサーバーに繋がる機器だそうです!他にもセンサに関して実際どんな時にどんなセンサが利用されるのかや、LoRaデバイスに関しても、事案を交えつつ具体的で詳しいお話が沢山ご紹介されました~!
LoRaWANの韓国での活用事例
株式会社ヒューマックスジャパン CTO 朴 勝運さん
韓国では既にLoRaWANが全国展開されているそうです!その先進的な活用事例をご紹介していただきました。
韓国に本社があり、衛星放送・ケーブルTVの放送用STB製造トップメーカーさん。IoT製品も取り込んでいて、韓国の協力会社や投資会社の商品を日本でご紹介しようと
準備中なのだそうです!この日は、GPSトラッカー、車両管理で使用している商品などの紹介がありました。2016年秋から韓国ではLoRaWANの全国サービスが始まっています!
Gper (GPS Tracker)
こちらのGper(GPSトラッカー)は、韓国でも成功的な製品だそうで、GPS機能とLoRaWANモジュール、バッテリーが搭載されていて、ポータブル仕様となっています。
また、特徴的な機能として、Bluetooth搭載のセンサ等モジュールのデータをGperで受信しLoRaWANでデータを送る事ができるそうです。
企業での実用例
ガスの量を点検するときに、ガスの量をBluetooth搭載のセンサで取得し、それをGperに送り、LoRaWANに飛ばすという仕組みでも使用されています!
韓国のドミノピザでは500程の支店があり、およそ2200台のバイクにこのGperを乗せているそうです。お客さんの注文が入りバイクが配達に向かうと、店としてはどこに配達中の車がいるかが把握できますし、お客さんからも、あと何分くらいでビザが届くかなどが簡単に分かるようになっています。なので非常に好評で、韓国のピザハットとも導入のお話が進んでいるそうです。
他にも、車に搭載して位置等情報を発信するサービスなども行なっているそうです。他にもいろいろと詳しいお話がありました!
センスウェイのネットワークを使用して、日本でもGperのサービスを展開していきたいと考えているそうです。今後、楽しみですね!
IoTパネルディスカッション
コクヨ株式会社 情報システム部 久保田 隆幸さん/合同会社ツグ 代表 コイニー株式会社 プロダクトストラテジスト 久下 玄さん/東京大学 工学系研究科 IoTメディアラボラトリー スペシャリスト 渡辺 誠さん
プロダクトデザインの観点でのIoTについて、ディスカッション形式で発表されました。
アットホームな雰囲気の中、様々な視点でのご意見を聞くことができました!
センスウェイパートナープログラムのご紹介
センスウェイ株式会社 IoTビジネスプランナー 益子純一さん
パートナープログラムの募集を各種されているそうで、そのご案内もありました。費用は発生しないそうです!
感想
一日でIoTのことや、LoRaWANの活用方法、デバイス情報、通信についてなど、幅広い知識の勉強になりました!
最後には、登壇者との交流会や名刺交換も行われました!
こういったセミナーに参加させていただくと、意外なところで新しい発見もあるし、様々な方と繋がりももてるのも良いところと思いました。
それでは、またねー!
さき