冬はなぜ乾燥するの?乾燥によってどんな事が起こる?科学的に考えてみた

2019/01/15

サイエンス

2019年パンケーキ
こんにちは、さきです!
遅くなってしまいましたが皆さん、新年あけましておめでとうございます!

冬の寒さも強くなってきましたね。幸い、日中は天気が良い日が多いので良いのですが、夜や朝はとっても寒いです!

寒さももちろんなのですが、同じくらい気になるのが、「乾燥」。冬は火事が起きやすい、という話もあるくらい、乾燥しがちですよね。

なぜ冬場は乾燥する?

まず、ここで重要なのは「どこの空気が乾燥しているのか」ということです。

お外も夏場に比べたら乾燥することはしていますが、それよりも室内の乾燥が目立ちます。

うっかり加湿器を忘れたまま寝てしまうと、朝方喉がすごい痛い…なんてことがありますね。

室内が乾燥する原因

室内が乾燥する原因はズバリ、暖房です!

中学校理科で習った記憶がありますが、空気には「飽和水蒸気量」というものがあります。これは、「空気1㎥中に、最大で何グラムの水分を含むことができるのか」というものです。

飽和水蒸気量いっぱいの状態の空気は、「湿度100%」と表します。

これだけなら話は単純なのですが、厄介なことにこの「飽和水蒸気量」というのは、温度によって変化してしまいます。
気温が上がると、飽和水蒸気量も高くなります。
気温が5℃の状態と25℃の状態で比較すると、25℃の空気は5℃の空気の4倍近くもの水分を含むことができるんです

つまり、気温5℃で湿度100%だったのに、暖房なんかで25℃まで上げると、湿度は25%前後まで下がってしまうわけなんです。
(他にも、エアコンは仕組みの関係で空気中の水分を奪いやすかったりするのですが、それ以上に飽和水蒸気量による影響が大きいです。)

乾燥による弊害

冬場の乾燥による弊害はたくさんありますが、いくつか紹介します。

ウイルスが蔓延する

インフルエンザウイルスは冬場に大流行します。これは、ウイルスが「乾燥した空気を好む」ことが原因です。では、常に湿度を高めにキープしていればいいのかというと、それはそれで、今度は「細菌が好きな環境」になってくるので、だいたい湿度40~60%が良いとされています。

40%を切るとウイルスにとって好環境となり、逆に60%を超えると最近にとって好環境になると言われています。

火事になりやすい

冬場は火事が多いです。地形によっては、暖房の有無に関わらず、山から下りてきた乾燥した空気(山のような高いところは寒く、低いところはそれよりも暖かいので、飽和水蒸気量の関係で湿度が下がります)が直撃する地帯では、家の外も乾燥しています。

江戸時代、大火と呼ばれるくらいの規模の火事は、ほとんどが冬の乾燥した時期に起こっています。

火の始末は年中通して気を付けなければならないですが、冬場は特に慎重になる必要がありそうです。

乾燥肌

保湿クリームという製品に需要があることからもわかる通り、肌にとって乾燥は天敵と言えます。カサカサするだけならまだしも、ひび割れなんかが起こるともう最悪です。

せっかく科学の進歩で良い保湿剤がたくさん出ているので、ここは素直にお世話になるのがいいと思います!

粘膜が弱くなる

粘膜が乾燥すると、その働きが弱くなります。菌やウイルスを体外に排出する働きが喉などの粘膜にはありますが、乾燥してくるとその働きが弱くなり、菌やウイルスをなかなか追い出せなくなります。

また、乾燥すると炎症も起きやすくなるので、菌やウイルスの格好の餌食となります。

体感温度が下がる

気化熱、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。エタノールを皮膚に塗った時にヒンヤリ感じるアレです。

乾燥肌とも少し関係してきますが、空気が乾燥しているということは、それだけ「空気に水分を奪われやすい状態」だということです。

空気が水分を奪っていく時、水分は気体となって、空気に溶け込んでいきます。つまり、「気化」するわけです。この時に温度を奪っていくんですね。

お風呂上りに「湯冷めするよー」なんてよく言いますが、これも同じです。体から水分が気化する時、温度を奪っていくので、乾燥した空気の中では、実際の温度よりも少し寒く感じることになります。

それで「寒いなー」となってエアコンの温度を上げるとさらに乾燥して…と、ちょっとした悪循環です。

ちょっとだけ寒い、くらいの時は、湿度を確認してみましょう。低すぎる場合は、加湿器をつけてみるのも手ですね。

まとめ

冬場の乾燥は、きちんと対策しないといろんなデメリットが見えてきますね。
加湿器をうまく使いながら、快適な新年を過ごしましょう!

それではまたねー! さき